渋みと日本茶
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 18:37 UTC 版)
日本茶は渋みを嗜好する飲食物である。「茶」は平安時代に伝わり、室町時代に茶道が発展して緑茶あるいは日本茶を抹茶や煎茶などで、日本人は渋みを嗜んできており、渋みを好ましい味覚として受け入れることは長年の食生活を通じて徐々に熟成されてきたといえる。渋みは、日本茶の嗜好を比較するうえで1つの基準とされている。 茶の渋味は、緑茶中に含まれるカテキン(タンニン)によるものであることが示されている。また、抹茶アイスや抹茶チョコレートのように渋みの含まれる食品は根強い人気があり、定番商品になっている。 食における色彩嗜好とイメージとの関係について、「茶は渋さ、にがさのイメージと結びつく」という。また、日本茶と渋さの関係は柳宗悦によると、美意識の表現として「渋さ」に影響を与えたという。 「幸いにも日本では、ごく普通の言葉を借りて、深い美を現すことが試みられた。すべての国民が美の標準を易々と語り得た国は、日本のほかにないと思える。それは他の国語に訳しようのないほど固有な言葉である。誰がいい始めたか、一語「渋い」という言い現し方で、最後の標準を述べた。この言葉が隅々まで普及したのは「茶」が与って力があったであろう。」 — 柳 宗悦 「渋さの美」『工芸文化』文芸春秋社 1942年 p.215
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