深刻な水質汚染と高い発がん率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 14:03 UTC 版)
「淮河」の記事における「深刻な水質汚染と高い発がん率」の解説
淮河はここ40年ほど水質汚染が深刻である。淮河の河岸には、たとえば数十センチの高さにピンク色の異様な泡が打ち寄せられて異臭を放っているような場所が多々ある。流域の村で住民のがん発症率(発がん率)が異常に高く流域住民らが苦しめられていることを、ロイター通信のジャーナリストなどが告発し、国際的に問題になった。国際的批判が高まったことで中国政府も重い腰を上げざるを得なくなり、2005年になって調査を命じ、研究者などが現地で調査を行うことになった。調査の結果、2013年、中国政府は、淮河の汚染の高いエリアと発がん率の高いエリアが一致していることを認める発表をした。流域の村では、住民が次々と様々な癌でバタバタと死んでゆく村、中国で癌村(がんむら)などと呼ばれている村、住民たちが高い確率で癌を発症する村がある。調査の結果、直腸癌などの発症率の悪化の程度が、中国の他の村に比べて5倍、という村もあることが判明した。 汚染の主なメカニズムとしては、淮河流域の化学工場などが淮河に汚染物質をたれ流しにした結果、淮河の水が化学物質で汚染され、それが地下経由で井戸に流入、中国では田舎の住民は飲料水を一般に井戸で得ているので、汚染されたその水を飲むことになり、がんを発症することになった、というメカニズムになっている。 対策として、中国政府は水質を改善するための浄水設備付きの水場を設け始めたが、広大な流域にまだ二十数か所ほどしか設置されておらず(2013年時点)、広大な流域に対して全然足りていない状況で、流域の住民の大多数は依然として発がんの危険にさらされ続けている。
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