消費者物価指数との乖離
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 20:25 UTC 版)
「GDPデフレーター」の記事における「消費者物価指数との乖離」の解説
統計的にGDPデフレーターは、カバー範囲が広いが、短期的な変動が大きい。一般にGDPデフレーターは、下方バイアスを伴う。GDPデフレーターと統計局が試算している消費者物価指数の動きを比較すると、大きく異なっている。この乖離については、対象の違いによる要因、算式の違いなどの要因が考えられている。内閣府は、2004年7-9月期分から連鎖方式(基準年を毎年更新)に変更している。 消費者物価指数とGDPデフレーターの大きな違いは、消費者物価指数(CPI)は原油などの輸入原材料価格の影響を大きく受けるのに対し、GDPデフレーターはそうならないという点である。GDPデフレーターは国内で生産されるすべての財・サービスの価格を反映するが、消費者物価指数は消費者によってのみ消費された財・サービスの価格を反映するという違いがある。GDPデフレーターは輸入製品の価格の変化を反映しないが、消費者物価指数は輸入製品の内の消費者が消費したモノの価格を反映する。GDPデフレーターには、消費者が購入しないような工作機械・外国向けの販売品の価格が含まれる。また、GDP統計が3カ月に一度しか集計されていないため、毎月発表される消費者物価指数を加工したもので代用することがあり理解しづらくなっている。 消費者物価指数とGDPデフレーターを比較すると、2000年以降、概ね消費者物価指数はデフレーターの上方に位置している。また、2007年7-9月期以降消費者物価指数が上昇(下落)する一方で、デフレーターは下落(上昇)するなど、異なる動きを示している。両統計の乖離は、リーマンショック前後の一時期を除けば、概ね消費者物価指数の変化率は±1.0%の範囲で推移している。
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