消費者提案
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 21:24 UTC 版)
カナダでは、個人は、破産の代わりに、消費者提案(consumer proposal)を申し立てることができる。消費者提案は、債務者と債権者らとの間での交渉による解決である。 典型的な消費者提案は、債務者が最長で5年間、毎月支払を行い、資金を債権者らに配分するというものである。ほとんどの提案は債務の総額よりも支払額を少なくすることを求めるものだが、ほとんどのケースで、債権者らは取引に応じる。なぜなら、そうしなければ、次の選択肢は個人破産であり、その場合債権者らの受け取る金額は更に少なくなるからである。債権者らは、消費者提案を受け入れるか拒否するかの選択に45日間の猶予期間がある。一度提案が受け入れられると、債務者は提案執行者に毎月支払を行い、債権者らはそれ以上の訴訟や執行を行うことができなくなる。提案が拒否された場合は、債務者は個人破産の宣言をするほか選択肢がないこともある。 消費者提案を行えるのは、債務額が5000ドルを超え、7万5000ドルまで(主たる居住地の抵当権を含まない)の場合に限られる。債務額が7万5000ドルを超える場合、破産・支払不能法第3編第1部の下に提案を申し立てなければならない。提案執行者の補助が必要である。提案執行者は、破産管財人の資格を持った者がなるのが一般的であるが、破産監督局が他の人を執行者に任命することもできる。 2006年において、カナダでは9万8450件の個人からの支払不能の申立てがあった。うち7万9218件が破産、1万9232件が消費者提案である。
※この「消費者提案」の解説は、「倒産」の解説の一部です。
「消費者提案」を含む「倒産」の記事については、「倒産」の概要を参照ください。
- 消費者提案のページへのリンク