海岸通り地区A-1地区
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/18 14:52 UTC 版)
海岸通り地区A-1地区(かいがんどおりちくA-1ちく)は、神奈川県横浜市中区海岸通にある再開発計画街区の名称。旧横濱ビルの跡地に位置し、横浜郵船ビルと隣接する。ディベロッパーは日本郵船株式会社、三菱地所株式会社、鹿島建設株式会社。2024年5月1日に着工し、2027年1月末に竣工予定である[1]。
本項では主に当地区における再開発計画について記す。
概要

都市再生特別地区「海岸通り地区」[2]の一部(A-1地区)として再開発が進められている。地上21階、地下1階、高さ約100mの超高層ビル(タワー棟)を建設し、低層部に飲食店やインキュベーション施設、展示スペース(後述の博物館が移転予定)、4階から20階までの部分にオフィスが入居する予定[1]で、このオフィスフロアには東京都千代田区丸の内の郵船ビルディングの建て替え期間中(2030年代前半頃竣工目標)、日本郵船の本社機能を一時移転する計画となっている[3]。低層部のデザインは隣接の横浜郵船ビルの歴史的意匠に呼応し、高層部の細かな窓割も同ビルの意匠を尊重したデザインとなっている[4]。
再開発の一環で隣接地(A-2地区)の横浜郵船ビルも当初は解体(外観など大部分は保全活用)し、最高高さ約112メートル・22階建てのオフィスビルを一体的に建設する計画であった[5][6]が、その後に全館保存する現在の計画に変更され[7][8][9]、内部はPlan・Do・Seeが運営するホテルとして保全活用(コンバージョン)されることとなった[10][11][12][13]。そのため、同ビルに入っていた日本郵船歴史博物館(当再開発計画に伴い2023年4月より休館中[14])も当開発で建設される前述のビル内低層部に移転し、2027年春頃を目途[15]に再開館する予定である[16][17][18][19]。
なお、A地区全体の開発(隣接地の横浜郵船ビルなども含む)は「(仮称) 横浜市中区海岸通計画(A地区)」として、着工直後の2024年5月24日に国土交通大臣の民間都市再生事業計画に認定されている[20]。
脚注
- ^ a b “「(仮称)横浜市中区海岸通計画(A-1地区)」新築着工”. 三菱地所 (2024年5月10日). 2024年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月3日閲覧。
- ^ C-116:海岸通り地区(横浜市都市整備局)
- ^ 横浜の新ビル建設に向け特定目的会社を設立 東京・丸の内の本社ビルも建て替え検討開始〈アーカイブ〉(日本郵船株式会社 2023年7月11日)
- ^ “都市再生特別地区(海岸通り地区)都市計画(素案)の概要”. 横浜市/日本郵船株式会社、三菱地所株式会社、株式会社宇徳 (2022年1月5日). 2022年6月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月3日閲覧。
- ^ 横浜に9万㎡複合施設/23年既存解体、24年着工/日本郵船と三菱地所(建設通信新聞DIGITA 2021年5月17日)
- ^ 「横浜郵船ビル」等を建替え!地上22階、高さ112m「(仮称)横浜市中区海岸通計画」の計画段階配慮書の縦覧開始!大部分が保全・活用されます(超高層マンション・超高層ビル 2021年5月18日)
- ^ 日本郵船と三菱地所が横浜郵船ビルを全館保存】一帯には7万㎡高層施設〈アーカイブ〉(建設通信新聞DIGITAL 2021年9月8日)
- ^ 第64回横浜市都市美対策審議会景観審査部会議事録「海岸通り地区の景観形成について(審議)」の資料:「海岸通り地区 景観デザイン計画検討資料〈アーカイブ〉 (PDF) 」(横浜市都市整備局 2021年9月6日開催)
- ^ 歴史的建造物の「横浜郵船ビル」を全面的に保存 地上21階、高さ約99mの「(仮称)横浜市中区海岸通計画」 2022年12月6日の状況(東京・大阪 都心上空ヘリコプター遊覧飛行 2022年12月12日)
- ^ 海岸通り地区「横浜郵船ビル」はホテルに 2027年供用開始へ(ヨコハマ経済新聞 2022年1月4日)
- ^ 海岸通に日本郵船と宇徳が本社 ほぼ全面保全の「横浜郵船ビル」はホテルに〈アーカイブ〉(神奈川新聞「カナロコ」 2023年11月4日)
- ^ 日本郵船「横浜郵船ビル」をホテルに改装 27年春開業(日本経済新聞 2025年5月9日)
- ^ 横浜郵船ビルをホテルにコンバージョンする工事をスタート〈アーカイブ〉(日本郵船株式会社、株式会社Plan・Do・See 2025年5月9日)
- ^ 休館のお知らせ〈アーカイブ〉 (PDF) 日本郵船歴史博物館、2022年12月27日(2025年6月14日閲覧)
- ^ 日本郵船歴史博物館(公式サイトのトップページ、2025年6月13日時点のアーカイブ)
- ^ 三菱と横浜の縁 vol.1 日本郵船「横浜で芽吹き、日本の発展を支えた二引の旗章 -日本郵船-」〈アーカイブ〉(三菱グループサイト 2024年11月29日掲載)
- ^ 【横浜郵船ビルをホテルに転換】歴史博物館は高層ビルに再整備/日本郵船、三菱地所〈アーカイブ〉(建設通信新聞DIGITAL 2022年1月6日)
- ^ 【横浜・郵船ビル隣に7万平米複合ビル】4月着工、完成は27年1月〈アーカイブ〉(建設通信新聞DIGITAL 2023年11月2日)
- ^ 横浜 郵船ビルがホテルに、27年春に開業へ 築90年、改装工事始まる〈アーカイブ〉(神奈川新聞「カナロコ」 2025年5月23日)
- ^ 海岸通りで憩いと賑わいを生む新たな文化・観光・ビジネス拠点を形成 ~(仮称)横浜市中区海岸通計画(A地区)を国土交通大臣が認定~/詳細資料〈アーカイブ〉 (PDF) (国土交通省都市局まちづくり推進課 令和6年〈2024年〉5月24日)
外部リンク
- 地区計画:C-116:海岸通り地区(横浜市)
- 海岸通り地区A-1地区のページへのリンク