洗濯用液体洗剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 02:19 UTC 版)
石油系の洗濯用液体洗剤は古くから存在しているが、日本では縦置きの渦巻き式洗濯機が主流だったこともあり、長年特異な存在だった。ほとんど唯一継続して発売していたP&Gでも、日本では自社の「チアー」を、粉末洗剤では対応できない酷い汚れ用の強力洗剤と位置づけていた。これらの用途では、洗濯機で洗濯する前につけ置きすることが多かったので、洗濯液に溶かす手間が少ない液体洗剤が好まれたためである。一方、P&Gの発祥であるアメリカでは、古くからドラム式洗濯機が普及していたため、少ない量の水に素早く溶ける洗剤として普及していた。 P&G「ボーナス」 1976年(昭和51年)日本での発売。日本国内では粉末洗剤では対応できない酷い汚れに対応するための強力洗剤という位置づけだった。改良と商標変更を経て、2002年(平成14年)、「ボールド」「アリエール」を後継とし販売終了。 ライオン「液体トップ」 1984年(昭和59年)発売。国産液体洗剤の先駆けはやはり「トップ」だったが、「ボーナス」同様頑固汚れに対する部分洗い用として認識されるにとどまった。現在の液体「トップ」シリーズは、コンパクト洗剤「Hiトップ」の液体版である1990年(平成2年)発売の2代目以降の商品である。 P&G「アリエール ジェルウォッシュ」 2000年(平成12年)発売。日本では売れないと言われていた液体洗剤の中で、初めて同系統の粉末洗剤を上回った商品。背景には、この頃洗濯機の予約タイマー機能が一般化していたが、粉末洗剤では予約用洗剤ボックスに溶け残ることが多かったことが挙げられる。その後、日本でもドラム式洗濯機が普及したことにより、2011年(平成23年)に初めて市場全体で液体洗剤が粉末を上回ったとされる。
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