治療後の隔離
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 04:23 UTC 版)
ヨウ素131による治療を受けた患者は、その後一ヶ月(量によってはそれ以下)性交を避けなければならない。また6ヶ月間は妊娠しないようにする必要がある。「これは、例え保有される放射能の総計がわずかかもしれず、放射性ヨウ素治療における実際の危険性の医学的な証拠はないとしても、成長している胎児に対する理論上の危険性が存在するためである。このような予防策は、放射能への直接の胎児の被曝を本質的に排除し、また放射性ヨウ素からの被曝によって理論上は損傷を受けたかもしれない精子による受胎の可能性を明らかに引き下げる。」 これらのガイドラインは病院ごとに異なり、また受けた放射線の量にもよる。放射線量が高い間は子どもを抱かないほうが良い、また他人と1 - 2メートル距離をとった方が良いという主張もある。 ヨウ素131は放射性崩壊により人体からなくなる。崩壊する間、さらに少量は汗や排泄(排尿)でなくなる。このため、治療を受けた患者が使用するトイレ・流し台・ベッドのシーツ・衣服をいつも綺麗にしておくことが推奨される。これにより家族、特に子どもが偶然被曝することを最小限にできる。放射性ヨウ素専用の浄化剤を使うことが望ましい。 現在、多くの空港で核兵器製造に使われかねない放射性物質の密輸を見つけるため放射線検出器を置いている。患者は航空機を使用する場合、治療でヨウ素131の使用後最大95日間、放射線検出器を作動させてしまう可能性があることに注意が必要である。
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