油圧式・電動油圧式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 22:23 UTC 版)
「パワーステアリング」の記事における「油圧式・電動油圧式」の解説
エンジンの出力を利用してポンプを作動させることで油圧を取り出し、その力で操舵力を補助する方式。ポンプの駆動動力をエンジンからモーターに置き換えた電動油圧式もある。ラック・アンド・ピニオン式とボール・ナット式に大別される。機構上、エンジン動力の油圧式に関してはエンジン停止中は全く機能しない。また、車速を感知することによりアシスト力を制御するものもあるが、エンジン動力の油圧式の場合は停車状態での据え切り時や極低速時での操舵でアシスト力を確保するためエンジン回転数を上げるようになっているのでブレーキやクラッチで適宜速度を抑える必要がある場合もある。 ポンプはエンジンにより駆動されているため、走行中はエネルギーを無駄に使用することになる(エンジン出力の3%程度)。この問題点を解消するために近年では可変容量型ポンプの搭載が大型車をはじめ、ディーゼル車を中心に進んでいるがあまり普及していない。車庫入れや高速走行時の自動運転、反力制御による予防安全等の応用技術が困難なことからも、急速に電動式にとってかわられている。 油圧式を採用する利点に、自然な操舵フィーリングが挙げられ、高級車の中でも、ドライビングプレジャーを追求するものには、油圧式を採用している。 もっとも、初期のアメリカ製乗用車における油圧式パワーステアリングは強力過ぎて「女性でも指先1本で軽く回せる」ほどであり、ハンドルの操舵感覚自体が極度に希薄だった。この特性は、1950年代〜60年代のアメリカ車を、良くも悪くも象徴するものであった。
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