河東の乱とは? わかりやすく解説

河東の乱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/28 01:38 UTC 版)

河東の乱(かとうのらん)は、戦国時代天文6年(1537年)から天文14年(1545年)までの間に、駿河国静岡県中部および東部)で起こった駿河の今川氏相模国北条氏との戦いである。河東一乱とも呼ばれる。「河東」は争奪の対象となった富士川以東の地域を、戦国時代に武田家、今川家、北条家の三国が隣接していた富士川から黄瀬川までの一帯を三家は河東郡と呼称したのが始まりだが、公的には河東郡という郡は存在せず(公式には駿東郡富士郡の一部)、当事者である三家が必要上呼称していた。




注釈

  1. ^ 今川の客将として盛時に与えられた所領の行方については、盛時の伊豆進出時に氏親に所領を返上した説や、盛時の姉で氏親の生母である北川殿の所領として盛時が代理として引き続き支配にあたった説もある[3]が、いずれも盛時死去後に氏綱には安堵されなかったことになる。
  2. ^ 有光友學によると、氏広は宗瑞の孫(北条氏時の子)としている[11]
  3. ^ 富士市の吉原湊北[13]、または長久保城城外[14]
  4. ^ これについて、元亀2年(1571年)の正月には氏真は今川氏の「隠居」として遇されているため、それ以前に今川氏の家督を国王丸に譲らされていることが判明する[24]
  5. ^ 今川氏真夫妻が家康の保護下に移った時期について、元亀3年(1572年)5月に小田原郊外の早川にある久翁寺において、今川氏真夫妻主催による今川義元の十三回忌が行われていたことが判明したため、それ以降であることが確定している[25]。また、武家の歴代当主の法要の主催者は現在の当主であるにもかかわらず、今川氏の当主になった筈の国王丸(北条氏直)が関与した形跡がないため、この法要の時点で氏真と国王丸の縁組は解消されて氏真が当主に復帰していたとする指摘もある[24]

出典

  1. ^ 池上 2018, pp. 350-353・360.
  2. ^ 池上 2018, pp. 350-354・360.
  3. ^ 黒田 2019, pp. 38–39, 「今川氏親の新研究」.
  4. ^ a b 大石 2021, pp. 271–272.
  5. ^ 池上 2018, pp. 358–359.
  6. ^ 海老名 2021, pp. 281–282.
  7. ^ 海老名 2021, pp. 282.
  8. ^ 平山 2006, p. 31.
  9. ^ 大石 2021, p. 268-270.
  10. ^ 黒田基樹『戦国北条家一族事典』戎光祥出版、2018年、45-47頁。
  11. ^ 有光友學「戦国期葛山氏の系譜と「氏時」」『戦国史研究』11号、1986年。 /所収:有光友學「葛山氏の系譜」『戦国史料の世界』岩田書院、2009年。 
  12. ^ 海老名 2021, pp. 283–284.
  13. ^ 小和田 2004.
  14. ^ 小和田哲男 編『静岡県古城めぐり』静岡新聞社、1984年。 
  15. ^ 天野安芸守宛「今川義元感状」『静岡県史』
  16. ^ 海老名 2021, pp. 284–285.
  17. ^ 海老名 2021, pp. 285–286.
  18. ^ 平山 2006, p. 34.
  19. ^ 海老名 2021, pp. 286.
  20. ^ 小和田 2004, p. 152.
  21. ^ 有光 2008, pp. 113-117・264-265.
  22. ^ 池上 2018, p. 365.
  23. ^ 池上 2018, pp. 366-368・372-373.
  24. ^ a b 黒田基樹「総論 北条氏直の研究」『北条氏直』戒光祥出版〈シリーズ・中世関東武士の研究 第二九巻〉、2020年、12頁。ISBN 978-4-86403-349-7
  25. ^ 長谷川正一 「天正元年以降における今川氏真の政治的地位」、戦国史研究会編 『論集 戦国大名今川氏』岩田書院、2020年、261-262頁。ISBN 978-4-86602-098-3
  26. ^ a b 池上 2018, pp. 369–372.
  27. ^ 池上 2018, pp. 373–383.


「河東の乱」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「河東の乱」の関連用語

河東の乱のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



河東の乱のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの河東の乱 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS