永眠と埋葬、その後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/28 14:33 UTC 版)
「エジプトのマリア」の記事における「永眠と埋葬、その後」の解説
一年経ち、ゾシマは言われた通り涸れた小川の傍まで来て見ると、その東側に東方を向いて腕を胸の上で組んだまま永眠している修業女の姿を見つけた。長い間泣いてから埋葬式の祈りを唱えた後、埋葬すべきかどうか迷っていると、修業女の頭の傍に、「師ゾシマよ、この場所に神の婢(ひ)マリアを埋葬し、肉体を土に帰して下さい。四月の第一日(ユリウス暦)、機密制定の晩餐の聖体に与り(木曜日を示す)、ハリストスの十字架上の苦しみの夜(金曜日の夜を指す)、永眠した私のために主・神に祈って下さい。」と書かれてあるのを見つけた。 ゾシマは、修業女が読み書きを知らなかったため、誰がこれを書いたのであろうと思い驚いた。しかし修業女の名マリアを知る事が出来た事を喜んだ。またこの記述から、ゾシマが20日間かけて歩んだ荒野の道(川岸から涸れた小川の傍まで)をマリアは一瞬にして歩き、この場所で永眠した事が分かった。 ゾシマは涙で地とマリアの体をぬらし、神を讃美しつつマリアをこの地に埋葬しようとしたが、道具も無く地面も堅かった為、作業は難航した。顔を上げ、腰を伸ばした際、マリアの足元に大きなライオンが現れ、彼女の足を舐めているのを見た。ゾシマは恐れたが、マリアの祈祷によってライオンが自らに危害を加える事は無いと信じて十字を画いた。するとライオンが彼に甘え始めたので、ゾシマは勇気を奮ってマリアのために墓を掘るようにライオンに命じた。ライオンが彼の言葉通り地面を掘り起こしたので、ゾシマはマリアをそこに埋葬した。ライオンは荒野の奥へ、ゾシマは修道院へと神を讃美しながら戻った。 帰還したゾシマが修道院長と修道士達にこれらの話を語ると、皆その話に驚き、克肖女マリア(こくしょうじょマリア)の永眠日を記憶する事が決められた。 ゾシマはその後も修道院で神に仕え、100歳近くになって永眠したという。
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