水木しげる版
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1958年7月に貸本漫画向けの単行本として、綱島出版社より刊行された。デビュー作である『ロケットマン』に続いて水木しげるが漫画化したもので、水木漫画にしては珍しくポップ調で、アメコミ風の絵柄が特徴的なSF作品である。身体の姿を変える等の設定はオリジナルを踏襲しているものの、男性が妊娠させて産むという誕生方法や、ロードローラーに後ろから轢かれる等といった演出(しかも彼はその自覚がない)は、『ロケットマン』譲りの水木テイストの滑稽さが溢れている作品である。また、翌年にはこの『プラスチックマン』をベースに、設定やストーリー等を新しく画き直した短編の『プラスチックボーイ』が刊行された。 あらすじ 天才科学者である水木博士は人造人間の開発に成功し、それを知ったライバルである不吉博士は嫉妬心を燃やして決闘を申し込んだ。その対決方法は「風船ガムを大きくふくらませた者が勝ち」というもので、水木博士はその勝負に勝利したものの、ガムには毒が塗ってあり、ライバルを消すという不吉博士の罠に掛かってしまう。 水木博士は、小学生の息子である三吉に「新しい人造人間を育てるように」と遺言を残して息を引き取る。そして助手のデブさん(中学生)は、水木博士の遺言通りに「人造人間を妊娠させる薬品」を飲み込んで、新しい人造人間を宿すことになった。妊娠してプラスチックを食べ続けながら十月十日経って産気づいたデブさんは、あまりの産苦のために悶絶しながらも人造人間を産む事に成功した。人造人間は身体を自由自在に変化する事が可能だった。 こうして生まれたプラスチックマンは、三吉・デブさんと共に、不吉博士の悪事を阻止する為の活躍を始める。
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