水の摂取
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 15:36 UTC 版)
排泄方法と、汗腺の欠如によって、鳥類の水分に対する生理的要求は軽減されてはいるが、それでも多くの鳥にとって水は必要である。ある種の砂漠の鳥は、その食物に含まれる水分だけで、必要とする水をすべて得ることができる。さらにかれらはこれ以外にも、体温の上昇を許容して蒸散冷却(浅速呼吸)による水分の損失を抑えるといった適応を行っていると考えられている。海鳥は海水を飲むことができ、頭蓋内部に塩類腺(英語版)を持っている。この塩類腺によって過剰な塩分を、鼻孔から排出する。 ほとんどの鳥は水を飲む際に、そのくちばしで水をすくい取り、そして水がのどを流れ落ちるように、頸を上にそらせる。一部の種、ことに乾燥した地域に生息するハト科やカエデチョウ科、ネズミドリ科、ミフウズラ科、ノガン科などに属する種は、水をすする能力があり、その頭を後ろに傾ける必要がない。砂漠性の鳥の一部は水源に依存し、特にサケイ科の鳥は、毎日水たまりに集まってくることで有名である。営巣しているサケイ類や、チドリ科の多くの鳥は、その腹の羽毛に水を含ませて、雛に運ぶ。なかには、巣の雛に飲ませる水を、自分の素嚢に入れて運び、あるいは、餌と一緒に吐き戻す鳥もある。ハト科、フラミンゴ目やペンギン目の鳥は、素嚢乳と呼ばれる栄養分を含んだ液体を分泌して、これを雛に与えるような適応を行っている。
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