民法における不可抗力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 08:41 UTC 版)
フランスの場合 フランスの法律において、被告が不可抗力を主張するためには、不可抗力として提案された事象は3つの条件に合致する必要がある。 1:外部性被告が、その事象の発生とは無関係であること。 2:予測不可能性もしその出来事が予測できたのであれば、被告はそれに対して準備する義務がある。予測可能な出来事に対して準備しなかった場合、被告は責任を問われることになる。この基準は非常に厳格に適用される。 1962年4月9日、フランス国務院は、問題となった被害を引き起こした洪水は、69年前に洪水が発生していたため予測可能であったと判断した。 1974年6月19日、グルノーブル行政裁判所は、問題となった雪崩は、約50年前に別の雪崩が発生していたため、予測可能であると判断した。 3:揺るぎなさその事象の結果が間違いなく予防不可能であったこと。フランスの法律において不可抗力の候補となる他の事象は、台風や地震である。不可抗力は責任に対する抗弁であり、フランスの法律全体に適用される。不可抗力と偶然の出来事はフランス法では別個の概念である。 アルゼンチンの場合 アルゼンチンでは、不可抗力(不可抗力と予測不可能な事象)はアルゼンチンの民法第512条で定義され、第513条で規制されている。これらの条によると、不可抗力は次の特性によって定義される。 ・予測できなかった事象、または予測ができたとしても抵抗することができなかった事象これらから、自然の作用の中には予測できるものもあると言えるが、その結果に抵抗することができない場合は不可抗力とみなすことができる。 ・外部性被害者は、直接的にも間接的にも、その出来事の原因とは何の関係もないこと。火災やストライキであった場合など。 ・予測不可能性その事象は、義務の原因よりも後に発生したものでなければならない。 ・不抵抗性被害者は決してその影響を克服できないこと。 アルゼンチンでは、契約上または非契約上の義務に関する民事責任において、「Act of God(神の行為)」を使用することができる。
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