民家建築の指定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/05 03:08 UTC 版)
農家、漁家、町屋などの民家建築が文化財として着目されるようになったのは、太平洋戦争後である。高度経済成長による日本人の生活様式の変化に伴い、伝統的な民家が急速に姿を消し始めた1960年代から民家の重要文化財指定が積極的に推進されるようになった。その魁として、1955年(昭和30年)から東京大学工学部建築学科による町屋調査を経て、1957年(昭和32年)6月18日に棟札とともに国の重要文化財に指定された奈良県橿原市今井町の今西家住宅が文化財保護法により根本修理に着手することとなり、奈良県教育委員会が今西家から委託を受けて1961年(昭和36年)3月に起工し、1962年(昭和37年)10月に竣工した。同建物は日本民家の一里塚と言われるほどの貴重な建物で、破損と傾斜が著しく倒壊を町屋調査によって救えた好例である。 なお、第二次大戦終戦以前に国の指定を受けていた民家は大阪府羽曳野市の吉村家住宅(1937年(昭和12年)指定)と京都市の小川家住宅(通称「二条陣屋」、1944年(昭和19年)指定)のわずか2件のみであった。
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