比較沈み込み学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 04:31 UTC 版)
上田誠也および金森博雄 (1979) は地球上の沈み込み帯を海洋プレートの沈み込み角の違いから「チリ型」と「マリアナ型」に分類し、連動型の巨大地震はチリ型の沈み込み帯で起こると考えた。上田らはチリ型に属すのは南チリおよびアラスカ等であるとしたが、Heuret (2011) らによれば、沈み込み角が15°以下の低角であるのは、南チリの他、プエルトリコ、ココス、カスケード、南海トラフ、スマトラ-アンダマンおよび地中海東部の各海溝である。 また、Ruffおよび金森 (1980) は、沈み込み帯で発生する巨大地震の規模は収束レートと沈み込むプレートの年齢の関数として表されると考えた。収束レートが大きく、且沈み込むプレートの年齢の若いプレートほど規模が大きくなる傾向があり、回帰分析からMw=-0.00889T+0.134V+7.96という関係式を得た。 チリ型 比較的若いプレートが低角で沈み込み、プレート間の固着が強く、超巨大地震はこのような沈み込み帯のみで起る。 マリアナ型 古いプレートが高角で沈み込み、プレート間の固着が弱く、プレート間の非地震性の滑りが大きく巨大地震は起こりにくいとされる。 また、沈み込み帯は定常的なものでなく、低角の沈み込み帯も地震が繰り返されるにつれ断層面は弱くなり、強い固着が次第に失われて、高角の沈み込み帯へと進化していくとされた。
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