母子感染の予防
【対策】 母子感染を予防する方法は次のものが考えられる。(1)妊婦のHIV検査の奨励。(2)妊娠中に抗HIV薬で母体のHIV RNA量を減らす。(3)予定帝王切開によって娩出時間を短くし、産道粘液や母体血への曝露を減らす。(4)分娩中のAZT点滴。(5)新生児への抗HIV薬の使用。(6)母乳の禁止。
【抗HIV薬の成績】 ACTG076というアメリカの無作為化臨床試験はAZTと偽薬の比較を行った。生後18月での判定では偽薬群の感染率は25.5%、AZT群は8.3%であり、p<0.0006の有意差であった。日本のHAART実施例の約90例からは新生児の感染例は出ていない。
【詳しく】 HIV感染が判明したら、内科、産婦人科、新生児科、手術室、看護師、薬剤師、MSW、心理士などのチーム医療で実践する。入院前に病室を見学すれば妊婦は具体的なケアのイメージが理解できる。今後は母体や胎児に安全な抗HIV療法の確立が必要である。出産後の母親の抗HIV療法継続については相談できめる。

- 母子感染の予防のページへのリンク