正測度を持つ疎集合とは? わかりやすく解説

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正測度を持つ疎集合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 10:09 UTC 版)

疎集合」の記事における「正測度を持つ疎集合」の解説

疎集合あらゆる意味において無視可能negligible)である必要はない。例えば、X を単位区間 [0,1] としたとき、それはルベーグ測度ゼロ稠密集合有理数集合など)を含むだけでなく、正測度を持つ疎集合をも含む。 (カントール集合変形あるような)一例として、[0,1] からすべての二進分数英語版)(既約分数として a/2n の形を持つような分数。ただし a と n は正の整数)とその周り区間 (a/2n − 1/22n+1, a/2n + 1/22n+1) を除いたような集合考える。各 n に対し多くとも合計 1/2n+1区間除いているため、結局そのような区間除かれた後に残った疎集合少なくとも 1/2 の測度実際重な部分の関係で 0.535... を少し超えた値)を持ち、そのため、ある意味全体空間 [0,1] の大部分占めていることが分かる。この集合が疎であることは、それが閉であり空であるよう内部を持つことから分かる任意の区間 (a, b) はその集合には含まれないなぜならば (a, b) に含まれる二進分数取り除かれいるからである。 この方法を一般化することで、 1 未満任意のに対して、その値と等し測度を持つような単位区間内の疎集合構成することができる。ただし、測度をちょうど 1 にすることはできない(できたとすると、その集合の閉包補集合測度 0 の開集合となるが、これは不可能である)。 他のより単純な例として、有限ルベーグ測度をもつ R {\displaystyle \mathbb {R} } の稠密開集合 U {\displaystyle U} が与えられたとき、 R ∖ U {\displaystyle \mathbb {R} \setminus U} が必ず非有ルベーグ測度をもつ R {\displaystyle \mathbb {R} } の閉部分集合となり、 R ∖ U {\displaystyle \mathbb {R} \setminus U} はまた R {\displaystyle \mathbb {R} } で疎集合となることが挙げられる。(なぜならば、 R ∖ U {\displaystyle \mathbb {R} \setminus U} の内部は空だから。)この有限測度を持つ稠密開集合 U {\displaystyle U} は、有理数全体 Q {\displaystyle \mathbb {Q} } がルベーグ測度0であることを証明するときによく構成される次のようにしても疎集合得られる全単射写像 f : N → Q {\displaystyle f:\mathbb {N} \to \mathbb {Q} } (実際は f {\displaystyle f} は全射写像で十分である。)を選び適当な r > 0 {\displaystyle r>0} に対して U r   :=   ⋃ n ∈ N ( f ( n ) − r / 2 n , f ( n ) + r / 2 n )   =   ⋃ n ∈ N f ( n ) + ( − r / 2 n , r / 2 n ) {\displaystyle U_{r}~:=~\bigcup _{n\in \mathbb {N} }\left(f(n)-r/2^{n},f(n)+r/2^{n}\right)~=~\bigcup _{n\in \mathbb {N} }f(n)+\left(-r/2^{n},r/2^{n}\right)} とする。(ここに、最後の式に用いられた記法はミンコフスキー和であり、記述簡明にするためのものである。)開集合 U r {\displaystyle U_{r}} は、 R {\displaystyle \mathbb {R} } で稠密であり、 Q {\displaystyle \mathbb {Q} } を含み、そのルベーグ測度は ∑ n ∈ N 2 r / 2 n = 2 r {\displaystyle \sum _{n\in \mathbb {N} }2r/2^{n}=2r} を超えない次の開集合ではなく閉集合の和をとるとこれはFσ集合である。 S r   :=   ⋃ n ∈ N f ( n ) + [ − r / 2 n , r / 2 n ] {\displaystyle S_{r}~:=~\bigcup _{n\in \mathbb {N} }f(n)+\left[-r/2^{n},r/2^{n}\right]} さらに、包含関係 S r / 2 ⊆ U rS rU 2 r . {\displaystyle S_{r/2}\subseteq U_{r}\subseteq S_{r}\subseteq U_{2r}.} をみたす。 R ∖ U r {\displaystyle \mathbb {R} \setminus U_{r}} が疎集合であることから、 R ∖ S r {\displaystyle \mathbb {R} \setminus S_{r}} も疎集合である。また、 R {\displaystyle \mathbb {R} } がベール空間なことから、 D := ⋂ m = 1 ∞ U 1 / m = ⋂ m = 1 ∞ S 1 / m {\displaystyle D:=\bigcap _{m=1}^{\infty }U_{1/m}=\bigcap _{m=1}^{\infty }S_{1/m}} は R {\displaystyle \mathbb {R} } で稠密である(これは D {\displaystyle D} が Q {\displaystyle \mathbb {Q} } に似て R {\displaystyle \mathbb {R} } で疎集合なれないかもしれないことを意味する。)。さらにルベーグ測度は0で、 R {\displaystyle \mathbb {R} } のnonmeagre subsetである(すなわち、 D {\displaystyle D} は R {\displaystyle \mathbb {R} } の第2類集合。)。このことから、 R ∖ D {\displaystyle \mathbb {R} \setminus D} は R {\displaystyle \mathbb {R} } のcomeagre subsetその内部はまた空であることが従う。故に R ∖ D {\displaystyle \mathbb {R} \setminus D} は疎集合であってその測度無限大である。 Q {\displaystyle \mathbb {Q} } は R {\displaystyle \mathbb {R} } の可算稠密部分集合置き換えることができる。さらに、適当な n > 0 {\displaystyle n>0} に対して R {\displaystyle \mathbb {R} } を R n {\displaystyle \mathbb {R} ^{n}} に置き換えることができる。

※この「正測度を持つ疎集合」の解説は、「疎集合」の解説の一部です。
「正測度を持つ疎集合」を含む「疎集合」の記事については、「疎集合」の概要を参照ください。

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