欧米での類似の研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 15:20 UTC 版)
1980年代以降、欧米でも仮説実験授業に似た「予想―実験」を中心にする科学教育の手法が盛んに提唱・研究されるようになった。1982年にJohn Clementは学生たちの概念調査を行い、「学生たちに見られる誤概念は中世のインペタス理論に似た概念が見られること」を指摘したが、1960年代に板倉が指摘したこととほとんど同じである。1985年にHallounとHestenesは「日常生活に基づく常識的信念」をCS(Common Sense)と名付けて、「CS信念を乗り越えるのは教師や教科書の権威によってだけでは困難である」と主張したが、これは板倉が仮説実験授業の提唱時に主張した「科学的認識の成立には、常識的・直感的な論理と科学的な論理の対決が必要である」と述べたのと同じである。 1993年にはClementらが「橋渡し法(Bridging Analogies)」と題する方法論を提案した。これは原子モデルを導入して抗力概念を導入しようとするものであるが、1964年に板倉が発表した授業書〈ばねと力〉に驚くほどよく似ている。 このように仮説実験授業そのものではないにしても、かなりの部分で仮説実験授業との共通点がある教育法が海外でも研究され、その有効性が実証されつつある。
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