機械的強度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 21:07 UTC 版)
木材は異方性が高く、繊維と並行(縦)か直角(横)かによって機械的強度は大きく変わる。縦方向の引張強さは、日本国内の針葉樹で800 - 1400kgf/cm2、広葉樹で600 - 2000 kgf/cm2、すべての木材では強いものでは3000 kgf/cm2というものもある。これを、強さを密度で割った「比強度」で表すと、針葉樹1700 - 2800kgf/cm2、広葉樹1600 - 2600kgf/cm2となり、鉄の400 - 1300 kgf/cm2を上回る性質を示す。これが横方向になると1/20から1/30と極端に悪くなる。そのため、製材時に木材の長軸と繊維軸が平行になっていない(「目切れ」という)と、このずれ部分に沿った破断、いわゆるせん断破壊が起きる。 縦方向の圧縮に対する強さは、日本国内の針葉樹で300 - 400kgf/cm2、広葉樹で200 - 650 kgf/cm2と、引張強さの1/3程度になる。このように「引張強さ>圧縮強さ」という特性は木材の特徴のひとつで、コンクリートの「圧縮強さ>引張強さ」の特性と逆になっている。木材が圧縮されると、中空構造の繊維がつぶれ、局部的な折れ曲がりが発生する。この「座屈」と呼ばれる破壊は圧縮強さの数分の1で発生し、座屈線という連続的な破壊の起点となる。横圧縮強さは縦の1/10 - 1/30程であり、これも細胞の破壊から始まる。 床板や梁のように繊維の上から木材を曲げようとする荷重に対する強さ(曲げ強さ)は、凹む木材の上部は縦圧縮力、張る下部は縦引張力がかかる図式で考える。中心部には圧縮ひずみも引張ひずみもかからない中立的な箇所があるが、曲げが強くなるとこの中立部が下(引張ひずみ側)に移動し、最終的に木材の縁まで来て引張強さを超える荷重がかかると破断する。しかも荷重を支える有効断面は実質的に狭いため、曲げ強さの値は引張強さよりも弱くなる。
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