機械的システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/06 05:13 UTC 版)
機械的システムの設計に組み込まれた双安定性は一般に「オーバーセンター (英: over-center)」と呼ばれることがある。機構を動かして部品がピーク位置を越えると(オーバーセンターすると)次の安定位置に移行し、変位が足りなければ最初の安定位置に戻る。このような機構はトグルスイッチとして機能する。身近な例として、壁に取り付ける一般的な電気スイッチがある。スイッチレバーは「オン」か「オフ」の位置にのみ静止するよう設計されており、その中間を越えて動かすと切り替わる。 ばねは双安定機構を実現する手段として一般的である。二つの安定位置を持つラチェット構造にばねを組み込んだボタン機構はノック式ボールペンの多くに採用されている。回転ラチェット(歯車と歯止め)は精巧な多安定機構であり、不可逆運動を作るために使われる。歯車を順方向に回していくにつれて歯止めは一つの歯を乗り越えて次の安定状態に移る。 柔軟な梁が複数の安定な座屈状態を持つことを利用した双安定コンプライアント機構(英語版)は、がたつきや摩擦がなく、部品構成が単純で小型化に向いていることからマイクロサイズの機構設計で広く用いられている。
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