機械的な問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 08:45 UTC 版)
戦況が悪化するとティーガーII生産工場から戦線へ直接送られることとなった。生産後の検品やテストが省略された結果、多くの機械的トラブルが発生し、特にトランスミッションは車体重量のため頻繁に故障した。生産初期のトラブルは深刻なもので、例えば極初期型を指揮戦車として受領した第316無線操縦戦車中隊の5両は、直接交戦する以前に故障により爆破放棄されるに至っている。また、第501重戦車大隊でも当初、最終減速機のトラブルが原因で保有する45両中8両のみという、極めて低い稼働率であった。 さらにエンジンはより軽量なパンターと同じマイバッハHL230を流用したことも悪影響をもたらした。パワーウェイトレシオがティーガーIより低くなっており、走行時は全開運転をしなければ移動できないことが多かったため、オーバーヒートが頻発した。 ヘンシェル社の主任設計者、エルヴィン・アーダースは「故障はティーガーIIがテスト結果を考慮せずに生産に入ったため生じた」と語っている。エンジンと動力機関は重量のため過重な負担が生じ、より多くのテストと問題解決が必要であった。しかし、充分なメンテナンスと適切な取り扱いにより状況は改善され、終戦間近の1945年3月15日付の状況報告書によると、稼働率は59%と、同時期のIV号戦車の62%に近い値であった。
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