標的以外に銃口を向けないこと
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/12 02:25 UTC 版)
「銃器の安全な取り扱い」の記事における「標的以外に銃口を向けないこと」の解説
このルールは、意図しない発射による被害を最小にすることを目的としている。最初のルールは、銃器は常に発射可能であるとみなすように教えている。このルールはそれを超えて、「銃は発射されるかもしれないが、それは必ず起きるとみなして、そうなったときにも絶対に害が及ばないように注意する」ように言っている。 このルールによれば、銃を使ったいかなる遊びも禁止される。ふざけて銃を人や標的でないものに向けるのは、このルールを破ることになり、生命と財産を非常な危険にさらす可能性がある。この種のふるまいを止めさせるために、このルールはときどき「破壊したいもの以外に、絶対に銃器を向けてはならない」のようにも言われる。 普通、銃口を向けるのに「安全な」二つの向きは、上(空)と下(地面)である。どちらにも、長所と短所がある。地面に向けて発射すると、跳弾(英語版)や危険な破片を人や物が浴びる原因になる。上を狙えばその危険はないが、弾丸が再び地面に落ちてくるときに何かを損傷させる危険がある。真上に向けて発射された弾丸は、その終端速度で戻ってくるだけである。しかし、完全に垂直ではない角度で発射された弾丸には、落ちてくるときに回転が残っており、致命的な速度で落ちてくる可能性がある。報告されている事故のいくつかは、空に向けて銃器を発射したことが原因だった。その中のいくつかについては証拠に論争があるが、アメリカ疾病予防管理センターの研究によれば、落ちてきた弾丸によると思われる負傷が、プエルトリコの2004年元日のお祝いの間に43件報告されている。また、銃口を、知らないうちに誰かの頭や航空機などに向けてしまう可能性もある。 室内で銃器を扱う場合は、上や下に向けるのは安全でない場合がある。例えば、上に向けて発射された弾丸は天井を貫通して上の階に達するかもしれない。銃をよく扱う部屋では、銃口を向けても安全な向きを決めておくべきである。射撃場では、銃器を向けても安全な向きが定められていることが多い。ほとんど全ての場合、これは射線の先のバックストップで、弾丸を受け止め跳弾させないように設計されている。武器を扱う必要がある武器庫などでは、「クリアリング・バレル (clearing barrel)」や「クリアリング・カン (clearing can)」と呼ばれる砂を満たした容器を、この目的で使用する。
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