構想着手と確定研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 07:50 UTC 版)
「もがみ型護衛艦」の記事における「構想着手と確定研究」の解説
新たな護衛艦の構想は、平成17年度に海上幕僚監部が日本防衛装備工業会へ委託・作成した「次期護衛艦(DD)に関する調査研究」まで遡る。この研究ではアメリカ海軍の沿海域戦闘艦(LCS)を参考にして高速力とコストに重点を置いたが、結果として原案はおろか性能を下方修正してもコスト超過となった。この理由の一つとして、研究時の現有装備のみを基に試算を要求されたことが挙げられ、以後、次期護衛艦に関する研究開発が多数実施されることになった。 そして2013年12月に公開された25大綱・26中期防において、この新型護衛艦の構想が公式に明らかにされた。25大綱では、情報収集・警戒監視任務の増大に対応するため、護衛隊群に所属しない護衛隊(いわゆる「10番台護衛隊」「2桁護衛隊」)を5個から6個に増やし、護衛艦を47隻から54隻に増強することになっていたが、この期間には旧式化した護衛艦4隻の退役も見込まれていたことから、これを補いつつ増強を実現するため、「多様な任務への対応能力の向上と船体のコンパクト化を両立させた新型艦艇」が計画されたものであった。この時点では「多機能護衛艦(DEX)」と称されており、従来のDEの後継として理解されるようになっていた。 この間も多くの案が検討されており、例えば2014年には対空・対水上能力ともに限定的な軽武装のDE(X)としてCG予想図が公表された。その後、平成27年度中には要求性能概案が決定されるとともに、平成30年度計画から建造を開始するというタイムスケジュールも明らかになった。この頃には「3,000トン型将来護衛艦」と称されるようになっており、艦種記号は、DDでもDEでもない"DX"とされた。またスパイラルモデルの導入によって建造開始当初は最低限の装備のみを搭載し、その後、ベースライン2、3と順次にユニット化した装備を拡充することも検討されるようになった。
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