概要・制作背景
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「The Book (小説)」の記事における「概要・制作背景」の解説
第四部連載中の1994年に、ジャンプ ジェイ ブックスから第三部のノベライズ作品『ジョジョの奇妙な冒険』が刊行されており、デビュー前の乙一は、週刊連載を追う傍らでノベライズ版も読んでいた。乙一は、1996年にジャンプ小説大賞を受賞してデビューする。続いて2001年には第五部のノベライズ作品『ジョジョの奇妙な冒険II ゴールデンハート/ゴールデンリング』が刊行されることが決まる。 そんな折に、乙一が集英社の編集部に訪れた際に「第四部は小説にしないんですか? もしも書く人がいなかったら、書かせていただけませんか?」と尋ね、そのことがきっかけで企画がスタートすることになる。 まず、2002年に乙一は『読むジャンプ』(集英社)に、第一稿である『ジョジョの奇妙な冒険 テュルプ博士の解剖学講義』の冒頭部分を発表する。しかし、加筆・改稿を繰り返すうちに内容が二転三転し当初の『テュルプ博士』とは大幅に内容が異なるものになっていく(このため『読むジャンプ』に掲載された荒木飛呂彦の挿絵は本作では使用されず、新たに描き起こされることとなった)。 乙一が満足できる作品を作り上げるために何度も何度も書き直した結果、破棄した原稿用紙は2000枚以上、5年の歳月を要し本作は完成した。その間、乙一はサボらないために自ら集英社の編集部へと通勤し、原稿を書いていた。本作品は荒木にも絶賛されている。 語り手は蓮見琢馬、双葉千帆、飛来明里、広瀬康一などバラバラである。康一のパートにて、作中人物である康一では語り得ない、メタフィクショナルな言及がある。「Part4の連載時に読者の間で話題になった、幼少時の仗助を救った学生服の少年とは?」という謎について、これは終盤の展開への前振りでもある。 章またぎページには、荒木飛呂彦によるイラストと、レクイエムの歌詞が書かれている。刊行時期が影響して、Part7時の絵柄でPart4のキャラクターが描かれている。 最初に刊行された四六判ハードカバー版の装丁は、ダークブラウンの表紙やページの厚みなど、作中に登場する蓮見琢馬のスタンドと酷似した造形となっている。ノベルス版もカバーを外すとブラウンの表紙をしている。帯のキャッチコピーは「ジョジョの奇妙な冒険20周年乙一×JOJO」「本の存在により、仗助は死ぬ」。 2011年の『VS JOJO』複数のノベライズ企画の先駆けとなったともいえる作品であり、紹介宣伝が一緒にされることが多い。
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