概念(存在)の四分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 04:24 UTC 版)
かくして「快楽」と「知性・思慮」のそれぞれは、「両者を併せ持った状態(混合)」よりは「善」から遠い、劣ったものであるという結論に達したが、ソクラテスは次に、「両者を併せ持った状態(混合)」を「善」に近い優れた状態にしている要因は、「快楽」と「知性・思慮」のどちらにあるのか、その「二等賞」争いをすることを提案し、プロタルコスも同意する。 ソクラテスはまず、議論の仕切り直しの出発点として、存在するものについての概念を「無限」「限(限度)」「混合」「原因」に四分類する。 そしてソクラテスは、「暖冷」「多少」「強弱」といった両義的・相対的な表現がなされるものは、「一定量」が定まらないので、第一の「無限」に分類されると指摘する。プロタルコスも同意する。 続いてソクラテスは、「計量」されたものと、それに関連付けて「等しい」「二倍」などと表現されるものは、「一定量」が定まるので、第二の「限度」に分類されると指摘する。プロタルコスも同意する。 続いてソクラテスは、「健康」「音楽」「季節」「美容」「強健」「法・秩序」など、「無限」と「限度」の混合によって適度に生成された美しいものが、第三の「混合・生成」に分類されると指摘する。プロタルコスも同意する。 最後にソクラテスは、「無限」と「限度」から「混合・生成」を成す「工作者(デミウルゴス)の役」を果たすものを、第四の「原因」に分類する。プロタルコスも同意する。 こうして四分類を提示した上で、ソクラテスは先の議論で最も「善」に近いとされた「快楽と思慮が混合された生活」を第三の「混合・生成」に、「快楽」を第一の「無限」に、「知性・思慮」を第四の「原因」に、それぞれ分類する。プロタルコスも同意する。
※この「概念(存在)の四分類」の解説は、「ピレボス」の解説の一部です。
「概念(存在)の四分類」を含む「ピレボス」の記事については、「ピレボス」の概要を参照ください。
- 概念の四分類のページへのリンク