楔子・第一折
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 21:00 UTC 版)
金の皇帝が蛮族に対して、誼を通じて以来3年後には小さな貢物、5年後には大きな貢物、10年後には莫大な貢物を贈ったにもかかわらず、15年経った今では何の貢物も贈られてこない、ということに立腹し、蛮族は山海関を越えて金の都へ攻め寄せる。この時、主戦論を張った重臣が左丞相の陀満海牙であるが、聶賈列は開封への遷都を奏上し、陀満海牙とその子の陀満興福の親子が謀反を企んでいると讒訴し、陀満海牙とその一族300人を殺す。この時、陀満興福は一族の殺害から逃れ、逃亡し、ある屋敷の花園へ逃げ込む。本作の主人公である秀才の蔣世隆は、自らの邸の花園へ逃げ込んだ陀満興福を一時は賊かと疑うものの、事情を知って義兄弟となり、逃亡に力を貸す。 兵部尚書の王鎮は、蛮族と和平を結ぶために北方へ旅に出る。一方、中都府は蛮族が襲ってくるため、王鎮の家族(王夫人・王瑞蘭ら)や蔣世隆とその妹・瑞蓮、住民らは府外へ逃れるが、蕃兵に追われ、王夫人・瑞蘭の母娘と蔣世隆・瑞蓮の兄妹はそれぞれはぐれてしまう。 瑞蓮の名を呼ぶ蔣世隆の声に、名の似ている瑞蘭が返事をし、二人はめぐり合う。一方、王夫人も瑞蘭の名を呼ぶと、名の似る瑞蓮が返事をする。ここで、蔣世隆と王瑞蘭は若い男女が連れ添っているのは具合が悪いので、夫婦ということにして旅を続けることとするが、突如山賊に襲われる。山賊の頭目に名を名乗ると、頭目の態度は一変した。なんとその頭目は蔣世隆の義弟・陀満興福であった。陀満興福は路銀として金百両を渡し、二人を祝福する。一方の王夫人と蔣瑞蓮は、瑞蓮が兄とはぐれてしまったことを述べ、憐れんだ王夫人は瑞蓮と義理の親子関係を結んだ。
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