楊弓とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 文化 > 娯楽 > 楊弓 > 楊弓の意味・解説 

よう‐きゅう〔ヤウ‐〕【×楊弓】

読み方:ようきゅう

遊戯用の小さな弓。約85センチの弓に約27センチの矢をつがえ、座って射る江戸時代から明治にかけて民間流行した。もと楊柳(ようりゅう)で作られたのでこの名がある


楊弓

読み方:ヨウキュウ(youkyuu)

江戸時代民間流行した遊戯


楊弓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/16 18:03 UTC 版)

楊弓(ようきゅう)とは、楊柳で作られた遊戯用の小弓。転じて、楊弓を用いて的を当てる遊戯そのものも指した。弓の長さは28(約85cm)、の長さは7寸から9寸2分とされる。中国代で始まったとされ、後に日本にも伝わり、室町時代の公家社会では、「楊弓遊戯」として遊ばれた。

楊弓場と矢場女

矢場女を描いた周延の浮世絵「今様東京八景 浅草乃晩鐘」1888年

江戸時代に入ると、神社や盛り場などで、楊弓場(ようきゅうば)または矢場(やば)と呼ばれる楊弓の遊技場が設けられるようになった。楊弓場には矢拾女・矢場女(やばおんな)と呼ばれる、矢を拾ったり客の応対をしたりする女性がいたが、後に娼婦の役目を果たすようになった。また、的に的中させた時の景品も時代が下るにつれて高価になっていったことから、天保の改革では、売春賭博の拠点として取り締まりの対象となった。幕末から明治初期にかけて全盛期を迎えた。

東京へは明治初年に浅草奥山(浅草寺の西側裏手一帯)に楊弓場が現れ、一般には「矢場」と呼ばれ広まった[1]。店は競って美人の矢取り女(矢場女・矢拾い女)を置き、男たちの人気を集めた。矢取り女は射た矢を集めるのが仕事だが、客に体を密着させて射的方法を教えたり、矢を拾う際に足を見せたりして媚びを売った。戯れに矢拾い女の尻にわざと矢を当てる客もあり、それをうまくかわす女の姿がまた客を喜ばせた。店裏で売春もし、客の男たちは女の気を引くために足繁く通い、出費で身を滅ぼす者も出た。しかし、次第に値段の安い銘酒屋にその人気を奪われ、明治中期以後急速に衰退した[2][3]東京では関東大震災の影響もあって、昭和に入る頃には楊弓場・矢場は姿を消したという。

1877年、東京で楊弓店が繁盛し、東京警視庁は風紀悪化の傾向防止のため、楊弓店取締規則をさだめた[4]

矢場に関連する作品

脚注

  1. ^ 石角春之助著(文人社 昭和5)
  2. ^ 『芝と上野浅草』三田村鳶魚 著(春陽堂 大正14)
  3. ^ 『東京の裏面』 永沢信之助著(金港堂書籍 1909.12)
  4. ^ 東京曙新聞1877年2月13日
  5. ^ 松本大洋『竹光侍』第一巻〜八巻 小学館

参考文献

関連項目

外部リンク


楊弓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 05:19 UTC 版)

弓矢」の記事における「楊弓」の解説

楊弓(ようきゅう小弓一つ。 弓 弓丈85センチメートル(2尺8寸)で基本的な構造和弓と同じである。本来は楊柳ようりゅう)の木で出来ているが、真弓ともいい、(まゆみ)の木で出来ているものもある。 矢 長さ27センチメートル(9寸)で基本的な構造和弓と同じである。

※この「楊弓」の解説は、「弓矢」の解説の一部です。
「楊弓」を含む「弓矢」の記事については、「弓矢」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「楊弓」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「楊弓」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



楊弓と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「楊弓」の関連用語



3
土弓 デジタル大辞泉
78% |||||

4
大弓 デジタル大辞泉
78% |||||

5
釣的 デジタル大辞泉
78% |||||


7
デジタル大辞泉
70% |||||

8
雀小弓 デジタル大辞泉
70% |||||


10
大金書 デジタル大辞泉
52% |||||

楊弓のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



楊弓のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの楊弓 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの弓矢 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS