植物の競争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/13 13:35 UTC 版)
植物の場合、ほとんどが光合成で生活しているから、その求めるものは共通である。すなわち、その地域の植物すべては互いに競争関係にあるとも言える。したがって、この問題は群集生態学の課題となる。光合成に必要な水、二酸化炭素は競争の対象にはなりにくいので、普通は光に対する競争が見られる。光は太陽からくるから、太陽に向かって開けた面積を確保できるかどうかが勝負になる。 陸上生態系では、より高いところへ枝を伸ばして、相手より高い位置に出たものが優勢になる。ただし、樹木のように大きくなるには、幹に投資をせねばならず、時間がかかる。したがって、初期には草本が優占し、次第に木本に置き換わるという、いわゆる遷移が見られることになる。 コケ植物や地衣類のように、背が低く、基質上に密着するものでは、光に対する競争は、覆いかぶさりよりも、むしろ平面上での陣取り合戦の形を取る。 競争相手に勝つための手段として、積極的に相手を攻撃する植物もある。その一つが他感作用で、化学物質を分泌して、例えば自分の周囲で他の植物の生長を妨げるなどの例がある。 植物ではないが、共生藻類に光合成産物をもらって生活する造礁サンゴにも、同様な種間競争が見られる。
※この「植物の競争」の解説は、「競争 (生物)」の解説の一部です。
「植物の競争」を含む「競争 (生物)」の記事については、「競争 (生物)」の概要を参照ください。
- 植物の競争のページへのリンク