栄養供給
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 15:14 UTC 版)
植物体上に特別なものを作る例としては、セクロピアでは葉柄基部にある托葉の表面にミュラー体(フードボディとも)という小粒を作る例が知られる。この小粒はグリコーゲンを多く含んでいる。また、アリアカシアでは葉先にBeltian body と呼ばれる小粒をつけ、これは植物組織に由来する構造ではあるが、糖類とタンパク質を豊富に含んでおり、たやすく脱落する。これらはいずれもアリによって収穫される。 このようなものはいずれもアリに対する餌の供給の意味を持つと考えられる。栄養面から見ても、一般の植物組織よりも動物にとって栄養豊富になっている。アリアカシアではこれを摂取するハエトリグモも知られている(バギーラ・キプリンギ)。同様なものはアリによって種子散布される植物の種子にも見られ、それらはカルンクラと言われる。ただしカルンクラの意味には異なった解釈もある。 なお、アリが植物を害する寄生虫を持ち込む例もある。たとえばアケビカズラやトウサゴヤシ属では、アリがその巣になる葉の内部にカイガラムシを持ち込んで生活させることが知られている。これは植物を害する行動と取れるが、アリはこれらの昆虫に蜜を分泌させ、それを得ることで餌の供給源のように使っている。したがって植物にとっては間接的なアリへの給餌とも見ることができる。
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