本文の系統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/10 09:11 UTC 版)
本写本の本文系統は巻ごとに異なっており、青表紙本の巻、河内本の巻、別本の巻が存在する。 柏木・総角は青表紙本系統の本文を持っている。柏木は定家自筆本に近く、総角は御物本・池田本・三条西家本等に近い本文を持っている。柏木は巻末に「奥入」を有するが「第一次奥入」とも「第二次奥入」とも異なる「別本奥入」とも呼ぶべき独自の内容のものである。 絵合・行幸は平瀬本に近い河内本の本文を持っている。 若紫は蓬左文庫本の一つである蓬左文庫蔵伝越部局筆松風巻と同筆の別本と見られる。この写本はいわゆる尾州家本源氏物語と呼ばれる揃い本とは別のもので、「松風」・「竹河」・「総角」・「浮舟」の4帖からなる零本であって、中山本と同様に明治30年代に烏丸家から平戸の松浦家のものになり、その後大正末年ころに尾張徳川家のものになり蓬左文庫に入ったものであるという。 鈴虫は ハーバード大学蔵本の須磨・蜻蛉と同筆の別本と見られる。
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