本文の性格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/09/16 15:27 UTC 版)
「穂久邇文庫本源氏物語」の記事における「本文の性格」の解説
本写本の「桐壺」巻巻末にある「元応二年十月」付けの奥書において「本云」として「嘉元二年九月廿九日以定家卿本校合了」として定家卿本(青表紙本)と校合したとの記載がある。また和歌は定家本特有の上句と下句とで改行した2行書きになっている。しかしながら本写本の「桐壺」の本文そのものは横山本や肖柏本・三条西家本と一致した本文を有する一方で別本諸本とも共通異文を有するという状況にあり、「概ね定家本系統である。」とはいえるにしても必ずしも常に定家本(青表紙本)に非常に近いとは限らないものである。阿部秋生は「『校合了』と記載されてはいるものの、青表紙本・河内本・別本という本文の系統意識は、はなはだ希薄なように思われる」と指摘している。巻別に本文系統を調べると「青表紙本の本文を持つ巻」と「別本の本文を持つ巻」とに分かれる。前述のように桐壺巻巻末にある勘物の内容は河内方の注釈書「紫明抄」に近いものであるが、本文自体は「河内本に属する」といえるような巻は無い。
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