木造阿弥陀如来及び二十五菩薩像 26躯
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「即成院」の記事における「木造阿弥陀如来及び二十五菩薩像 26躯」の解説
阿弥陀如来を中心とする計26体の群像で、本堂内のひな段状の仏壇に4段に分けて安置されている。阿弥陀如来の左右には亡者を乗せるための蓮台を捧げ持つ観音菩薩像と合掌する勢至菩薩像が位置し、その他の23体の菩薩像の多くは楽器を演奏する姿で表される。阿弥陀如来と25体の菩薩が、亡者を西方極楽浄土へ導くさまを表現したもので、この種の像は絵画作品としては多数造られているが、等身大の立体像で表したものは珍しい。26体のうち、阿弥陀如来像と観音菩薩像を含む11体のみが平安時代の作で、残りの15体は江戸時代の補作であるが、平安彫刻の様式を忠実に模して造られている。ただし、阿弥陀如来像は平安時代後期の作ではあるが、他の菩薩像と本来の一具ではないと考えられている。これらの像は1962年(昭和37年)から翌年にかけて修理されているが、その際に実査した西川杏太郎は、阿弥陀如来像は、作風の違いに加え、本像の印相が来迎印(右手を挙げ、左手を下げる)ではなく、定印(膝上で両手を組む)であることなどから、他から移されたものと推定している。田口稚子は、同時代の基準作例との比較により、阿弥陀如来像は12世紀前半、二十五菩薩像のうち当初像10体は11世紀末から12世紀初頭頃の作としている。なお、橘俊綱の時代に二十五菩薩の信仰があったことは確認できず、菩薩像が当初何体あったのかは不明である。
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