期間合計特殊出生率の持つ意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 05:52 UTC 版)
「合計特殊出生率」の記事における「期間合計特殊出生率の持つ意味」の解説
人口の男女比が1対1と仮定し、すべての女性が出産可能年齢範囲の上限である49歳を超えるまで生きるとすると、合計特殊出生率が2であれば人口は横ばいを示し、これを上回れば自然増、下回れば自然減となるはずである。しかし、実際には生まれてくる子供の男女比は男性が若干高いこと、また出産可能年齢範囲の下限である15歳以下で死亡する女性がいることなどから、医療技術や栄養状態が相対的に良好な現代先進国においても自然増と自然減との境目は2のぴったりではなく、2を上回る計算になる。もちろん、戦争や貧困など様々な原因で乳児死亡率が高い地域(アフリカや南アジアの国など)や、文化的に女児よりも男児を出産することを好む傾向がある地域(中華人民共和国など)では、人口維持にはより高い合計特殊出生率が必要となる。 期間合計特殊出生率は、言い換えると「ある年における全年齢の女性の出生状況を一人の女性が行うと仮定して算出する数値」であるが、調査対象のライフスタイルが世代ごとに異なることなどから、「一人の女性が一生に産む子供の数」を正確に示すものではない。具体的には、早婚化などにより出産年齢が早まると、早い年齢で出産する女性と、旧来のスタイルで出産する女性とが同じ年に存在することになるので、見かけ上の期間合計特殊出生率は高い値を示す。逆に、晩婚化が進行中ならば、見かけ上の期間合計特殊出生率は低い値を示す。
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