有機化合物の加水分解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 08:03 UTC 版)
カルボン酸誘導体、例えばエステル・アミドなどは、加水分解により元のカルボン酸に戻る。水酸化ナトリウムなど、塩基を用いたエステルの加水分解を特に鹸化(けん化)と呼ぶ。これらはカルボニル基へ水、もしくは水酸化物イオンが作用する付加脱離反応で進行する化学反応である。 アセタール、ヘミアセタールは加水分解により元のアルデヒドにもどり、ケタール、ヘミケタールは加水分解により元のケトンに戻る。通常は酸を触媒とし、中間体としてカルボカチオンを経由する。 以下に主な置換基の加水分解と生成物を示す。 エステル → カルボン酸 + アルコール アミド → カルボン酸 + アミン チオエステル → カルボン酸 + チオール アセタール → アルデヒド + アルコール ヘミアセタール → アルデヒド + アルコール ケタール → ケトン + アルコール ヘミケタール → ケトン + アルコール 各置換基の加水分解の特性・条件についてはそれぞれ左辺の項目に詳しい。また、これらの反応は生体内では酵素が関与する場合が多く、基質により異なる酵素が作用するが、それらの酵素を総称して加水分解酵素(ヒドロラーゼ)と呼ぶ。
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