最終的な被害と法的措置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/01 04:09 UTC 版)
「モロ・キャッスル号火災事故」の記事における「最終的な被害と法的措置」の解説
この事故の結果、モロ・キャッスル号は全損に帰し、全搭乗者549人のうち135人が死亡した。死亡者のうち86人が船客で全船客の29%にあたった。混乱状態とはいえ、船客を差し置いて救命ボートで脱出を図った船員の態度、乗員構成における安全基準の違反などから船長代理を務めていた一等航海士、真っ先に救命ボートに乗り込んでいた機関長、副社長と会社自体が連邦ニューヨーク南部地方裁判所に起訴され、1936年1月に一等航海士に禁固2年、機関長に禁固4年、副社長に禁固1年および罰金5000ドル、会社に罰金1万ドルが言い渡された。これに対し会社側は一等航海士と機関長の罪状については控訴し、最終的に消火および避難訓練の不備は一等航海士ではなく変死した船長の責任とし、機関長の行為は道徳的な問題だが違法ではないとされ、2人は差し戻し審で無罪とされた。また、会社は民事訴訟での長期戦を避け、最終的に89万ドルの示談金支払いで決着させると共に総額420万ドルの保険金を受け取った。一方、FBIは沿岸に漂着したモロ・キャッスル号の現場検証を行い、出火したロッカー周辺を捜査したが出火原因を突き止めるには至らず、翌年3月にモロ・キャッスル号はスクラップとなったため、再捜査の機会は失われた。また、事故前に変死した船長の遺体は火災で白骨化しており、程なく墓地に埋葬されこちらも死因特定の機会は失われた。
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