最初のフェルミ凝縮の生成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 00:31 UTC 版)
「フェルミ凝縮」の記事における「最初のフェルミ凝縮の生成」の解説
1995年にエリック・コーネルおよびカール・ワイマンがルビジウム原子からボース=アインシュタイン凝縮を生成したとき、フェルミ粒子による同種の凝縮が自然に生じた。これはBCS機構により超流動を生じうるものであったが、当初の計算ではクーパー対を形成するには実現不可能な極低温が必要であると示された。2001年、JILAのMurray Hollandはこの困難を避ける方法を考案した。彼は、フェルミ原子を強い磁場にさらすことによって、対を形成するように誘導できるのではないかと考えた。 2003年、Hollandのアイデアについて研究していたJILAのデボラ・S・ジン、インスブルック大学のルドルフ・グリム、およびMITのヴォルフガング・ケターレはフェルミ原子でボース分子(ボース粒子である分子)を形成することに成功した。そして、これはボース=アインシュタイン凝縮を生じた。しかしながら、これは真のフェルミ凝縮ではなかった。同年12月16日、ジンは、初めてフェルミ原子から凝縮物を生成することに成功した。その実験は、時変の磁場の中で5×10−8 Kに冷却された500,000のカリウム40原子を用いて行われた。この発見は、2004年1月24日のPhysical Review Lettersの電子版から出版された。
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