カリウム-40
カリウム40
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 14:05 UTC 版)
カリウム40 | |
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![]() 崩壊図 | |
概要 | |
名称、記号 | カリウム40,40K |
中性子 | 21 |
陽子 | 19 |
核種情報 | |
天然存在比 | 0.0117 % |
半減期 | 1.248 ×109y |
同位体質量 | 39.963998475(206) [1] u |
スピン角運動量 | 4- |
余剰エネルギー | -33535.205± 0.192 keV |
結合エネルギー | 8538.083± 0.005 (1核子当り) keV |
EC+β+ (10.72%) | 1.50469(19) MeV |
β-(89.28%) | 1.31107(11) MeV |
カリウム40 (Potassium-40,40K) は天然カリウム中に存在するカリウムの同位体である。陽子数(19)および中性子数(21)共に奇数である奇奇核で、核種として不安定な放射性同位体である。半減期は12.48億年。
地球上における絶対量が多いことにより地球上における主な自然放射線元の1つとなっており、またカリウムが動植物の必須元素であることから生体の内部被曝の最大の要因ともなっている。
存在
カリウム40は天然カリウム中に0.0117 %の割合で存在する。自然界に存在するカリウム40はその殆どが恒星内の元素合成で生成されたものだが、ごく一部は上空大気中でアルゴン40が宇宙線と作用することにより生成される。約46億年前の地球創世時には現在の約12倍のカリウム40が存在していたとされる。
天然カリウムの1グラム当り放射能強度は30.4 ベクレル(Bq)であり、その放射線エネルギーはトリウムやウランのそれと比較して低いが、地球上においてカリウムが普遍的に存在するため、結果としてカリウム40に起因する放射線はトリウムおよびウランと共に自然放射線量の約1/3にも達する。
カリウムは地殻の岩石中では主に長石の形で含まれ、特に花崗岩中に高濃度で存在する。岩石の放射発熱量はカリウム40・トリウム・ウランいずれもの含有率が高い花崗岩が高い値を示し、地熱の主因となっている。特にカリウム40およびウラン235は半減期の関係で地質時代の過去において発熱量の主因となっていた[2]。
地球のような岩石惑星にはカリウム40が多量に存在し、この放射性崩壊により生成された アルゴン40(40Ar) が大気中に多量に蓄積している。地球大気中の希ガス元素のうちアルゴンの存在量が圧倒的に多く、また太陽大気中のアルゴンの同位体比が 36Ar : 84.2%, 38Ar : 15.8%, 40Ar : 0.026% であるのに対し[3]、地球大気中では 36Ar : 0.3365%, 38Ar : 0.0632%, 40Ar : 99.6003%と、40Ar が圧倒的に多くなっているのもこのためである[4]。
放射性崩壊
カリウム40の放射性崩壊は3種類が確認されている。
放射性崩壊全体の89 %がベータ崩壊(β-崩壊)によりカルシウム40(40Ca)となるものである。その崩壊エネルギーは1.31107±0.00011 メガ 電子ボルト(MeV=100万eV)である。
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