書かれている内容について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 03:28 UTC 版)
「ファイストスの円盤」の記事における「書かれている内容について」の解説
内容に関する解読は進んでいない。理由は3つある。 最初の理由は、同じ文字が記された粘土板が他に見つからないことである。印章を用いて制作したのであれば、他にも同印章を用いた粘土板が存在する可能性はあるが、この円盤しか見つかっていない。このことから、ファイストスの円盤はクレタ島に起源があるのではなく、なんらかの輸入品であるとも考えられる。発見時に周囲に線文字Aが記された粘土板が見つかっているが、ファイストスの円盤との関係は分かっておらず、両者の文字には類似性もない。 2番目の理由は、商業的な記録ではないこと。つまり定型文ではないことである。わざわざ専用の印章を用いたということは、他に例のない文章を記録したと考えられ、解読に際しては不利となる。 3番目の理由は、円盤に記された文字の数がギリシャ語の音節の数と合わないことである。文字の種類が60以上であれば、ギリシャ語が記されている確率が高いが、円盤の文字は45種類しかない。 特に1番目の理由が大きく、別の資料が現れない限り解読は不可能と考えられている。にもかかわらず、「解読できた」という主張が絶えない。 サイラス・ゴードンは1966年以降、他のクレタ島の未解読文字とともにファイストスの円盤がセム語で書かれていると主張した。 クリストファー・ウォーカーの『楔形文字』では、ファイストスの円盤をギリシャ語で書かれた「動員宣言」であると推測している。ウォーカーの解読では、A1は「e qe ku ri ti」、A2は「de ni qe」と読む。これはギリシャ語の「Ekue Kurwitis Deneoi que」となる。これはクレタ人とギリシア人に対する呼びかけを意味する(ただし、ウォーカーの推測は仮説の域を出ていない)。
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