曲率の性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/18 05:31 UTC 版)
「フビニ・スタディ計量」の記事における「曲率の性質」の解説
n = 1 の特別な場合には、フビニ・スタディ計量は、2-球面の上の計量との同一性に従うと、4 である定数のスカラー曲率を持つ(このことは与えられた半径 R の球面はスカラー曲率 1 / R 2 {\displaystyle 1/R^{2}} を持つ)。しかし、n > 1 に対しては、フビニ・スタディ計量は定数曲率を持たない。その断面曲率は、代わりに、次の等式で与えられる。 K ( σ ) = 1 + 3 ⟨ J X , Y ⟩ 2 {\displaystyle K(\sigma )=1+3\langle JX,Y\rangle ^{2}} ここに、 { X , Y } ∈ T p C P n {\displaystyle \{X,Y\}\in T_{p}\mathbf {CP} ^{n}} は 2-平面 σ の直交基底であり、J : TCPn → TCPn は CPn 上の線型複素構造(英語版)(linear complex structure)であり、 ⟨ ⋅ , ⋅ ⟩ {\displaystyle \langle \cdot ,\cdot \rangle } はフビニ・スタディ計量である。 この公式の結果、断面曲率はすべての 2-平面 σ {\displaystyle \sigma } に対し 1 ≤ K ( σ ) ≤ 4 {\displaystyle 1\leq K(\sigma )\leq 4} を満たす。最大断面曲率 (4) は正則 2-平面で到達される。つまり、そこでは J(σ) ⊂ σ である。一方、最小断面曲率 (1) は J(σ) が σ に直交である 2-平面で達成される。フビニ・スタディ計量が 4 に等しい「定数」正則断面曲率であるとよく言われる理由である。 このことは、CPn を1/4ピンチ多様体(英語版)(quarter pinched manifold)である。この優れた定理は、厳密な 1/4 ではられる単連結な n 次元多様体は、球に同相でなければならないことを示している。 フビニ・スタディ計量は、自分自身のリッチテンソルに比例するアインシュタイン計量でもある。すなわち、定数 λ が存在して、すべての i, j に対し、 R i c i j = λ g i j {\displaystyle Ric_{ij}=\lambda g_{ij}} である。このことは、なによりも、フビニ・スタディ計量がリッチフローのスカラー倍に対しては不変のままであることを意味する。また、CPn のフビニ・スタディ計量は、アインシュタインの場の方程式の非自明な真空解となっているので、一般相対論において不可欠なものとなっている。
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