リッチテンソルとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 人文 > 幾何学 > テンソル > リッチテンソルの意味・解説 

リッチテンソル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/18 06:40 UTC 版)

微分幾何学において、リッチ曲率テンソル (: Ricci curvature tensor) とは、歪んだリーマン多様体上の測地球の体積がユークリッド空間上の球体からどれだけずれるかを表す量である。グレゴリオ・リッチ=クルバストロに因んでその名がある。あるリーマン計量が与えられたとき、その記述する幾何が通常の n 次元ユークリッド空間からどれだけ違うか表わす尺度として使うことができる。リッチテンソルはどんな擬リーマン多様体に対しても、リーマン曲率テンソルトレースとして定義される。計量それ自体と同様、リッチテンソルは多様体の接空間上の対称双線型形式である[1][注 1]

相対性理論では、リッチテンソルは時空の曲率 (Rμvと表す) の一部であり、レイチャウデューリ方程式を通じて物質が時間とともにどれだけ収縮もしくは拡散するかの程度に関連する。アインシュタイン方程式を通じて、宇宙に含まれる物質の量にも関連する。微分幾何学では、あるリーマン多様体上のリッチテンソルの下界により、一様な曲率をもつ空間形式英語版と比較した場合の(比較定理英語版も参照)大域的幾何学および位相幾何学的な情報を得ることができる。リッチテンソルが真空のアインシュタイン方程式を満たすとき、その多様体はアインシュタイン多様体であるといい、特に研究されている (cf. Besse 1987)。これと関係して、リッチフロー方程式はある計量がアインシュタイン計量へ発展するさまを記述する。この方法により、ポアンカレ予想が最終的に解決することとなった。

定義

カテゴリ


リッチテンソル(Ricci tensor)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 07:11 UTC 版)

リーマン曲率テンソル」の記事における「リッチテンソル(Ricci tensor)」の解説

さらに、リーマン-クリストッフェルテンソル R k j i h {\displaystyle R_{kjih}} に g k h {\displaystyle g^{kh}} を掛けて縮約またはリーマン曲率テンソルを単に縮約した2階共変テンソル R j i = ∑ k h g k h R k j i h = ∑ a R a j i a {\displaystyle R_{ji}=\sum _{kh}g^{kh}R_{kjih}=\sum _{a}R_{aji}{}^{a}} をリッチテンソル(Ricci tensor)と呼ぶ。

※この「リッチテンソル(Ricci tensor)」の解説は、「リーマン曲率テンソル」の解説の一部です。
「リッチテンソル(Ricci tensor)」を含む「リーマン曲率テンソル」の記事については、「リーマン曲率テンソル」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「リッチテンソル」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



リッチテンソルと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「リッチテンソル」の関連用語

リッチテンソルのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



リッチテンソルのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのリッチテンソル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのリーマン曲率テンソル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS