曲の構成・内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 04:47 UTC 版)
「梁山伯と祝英台 (ヴァイオリン協奏曲)」の記事における「曲の構成・内容」の解説
全1楽章。導入部を伴った提示部と簡略化された再現部を持つ自由なソナタ形式であり、交響詩のように物語を描写して進む。独奏ヴァイオリンは祝英台をあらわし、曲中に出てくる独奏チェロは梁山伯をあらわす。 提示部は、のどかな江南の春を描く空虚五度の導入部から始まり、主部に入って独奏ヴァイオリンが第1主題を歌い始める(相愛)。カデンツァの後、4分の2拍子になり二人が共に学ぶ情景(同学)を現す第2主題を経て、提示部のコーダとなる叙情的な彼らの別れの場面 までが物語られる。 展開部に入り、力強い低音部と独奏ヴァイオリンが活躍する祝英台の結婚への抵抗(抗婚)の場となる。ここでは結婚を強いる封建的圧力と祝英台の対立と葛藤を描くが、前者の表現には主に低音楽器や金管楽器を用いて導入部の主題が、後者は第2主題が使われる。一旦、激しい曲調は収まり、提示部のコーダに似たヴァイオリンとチェロの静かな二重奏が2人の会合(楼台会)を表す。拍板などの民族打楽器を伴って再び速い曲調となり、祝英台の嘆きや怒りを込めて天に訴える場面(哭霊控訴)と彼女が梁山伯の墓へ身を投じる(投墳)場面までを物語り、短いカデンツァを交えながら、ここで曲の興奮は最高潮に達する。 再現部では、導入部と提示部の第1主題が穏やかに再現され、蝶への化身(化蝶)を奏でつつ曲は消え行くように終わる。
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