春深くケセランパサラン増殖すとは? わかりやすく解説

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春深くケセランパサラン増殖す

作 者
季 語
季 節
春 
出 典
前 書
 
評 言
 ケセランパサランには「ケセランパサラン白粉を食うなりといふ」と注があります語源スペイン語の「福が起こる」の意味があるとされていますがその語源不明です。
 ケセランパサランは、ケサランバサランともいい江戸時代からの民話伝承の謎の生き物で主に東北地方中心に広がりました
 伝承としては女性信仰されたもので、箪笥納めておくと着物増える、あるいは幸せになると信じられ大切にされたものです。
 見た目は、タンポポ綿毛や兎の尻尾のようなふわふわした白い毛玉いいます。これを箪笥の奥に隠して餌として白粉与えて飼育します。
 1983年1月福音館発行こどものとも」(わたりむつこ)に「てんさらばさら てんさらばさら」があります
 この絵本で、少女まゆは空から降ってきた「てんさらばさら」を育てることになりますおばあさんは「白粉ふりかける少しずつ増えてその度良い事がおきる。ただし誰にも見せてはいけない、見せと良い事が逃げてしまう」と伝えます
 秘密の場所育った「てんさらばさら」はまゆに次々と幸せ与え、まゆは18歳になった時、素敵な夫とめぐり合うことができました
 やがてまゆには子供授かりますが「てんさらばさら」はどんどん増え続け、とうとう夫に見つかってしまいます見つかった「てんさらばさら」は袋から溢れ出あたり一面舞い上がります。このときまゆは「すっかり無くなってしまった。これから自分の力でやっていく」ことを決心します。夫も「そんなもの無くたっておれたちいくらでも幸せになれる」と言います
 少女大人になり母になり、自分切り開いていく勇気を持つまでに成長します
 「ケセランパサラン」と「てんさらばさら」どちらも同じものでしょう言葉違って幸せ増やす道具無くて自分の力で幸福を得られる教えてくれます
 「ケセランパサラン」は弱い立場であった女性希望、そして白粉をかける度に美しく成熟した女性になっていくという夢も与えてくれます
 「春深く」として真鍋呉夫らしい妖艶な女性となるのでしょうか。単純な句ですが、ケセランパサラン女性の夢を膨らませくれます
 真鍋呉夫1920年福岡県遠賀郡岡垣(現岡垣町生まれ作家俳人。「花冷えのちがふ乳房逢ひにゆく」を含む第二句集雪女』で読売文学賞受賞してます。
 
評 者
備 考
 



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