眞鍋呉夫とは? わかりやすく解説

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眞鍋呉夫

眞鍋呉夫の俳句

あの世にも職安通ありといふ
いつも身近に眞清水涌くを感じをり
びしよぬれのKが還つてきた月夜
わが夢にきらめく雁の泪かな
春深くケセランパサラン増殖す
無職なり氷菓溶くるを見てゐたり
花よりもくれなゐうすき乳暈かな
花冷のちがふ乳房に逢ひにゆく
花柚の香さびしくなれば眠るなり
雪女見しより瘧をさまらず
露の戸を突き出て寂し釘の先
 

真鍋呉夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/31 02:44 UTC 版)

真鍋 呉夫(まなべ くれお、1920年1月25日 - 2012年6月5日)は日本作家文筆家俳人

来歴・人物

福岡県遠賀郡岡垣村(現・岡垣町)生まれの父甚兵衛、母オリとも俳人で父は天門(てんもん)、母は織女(おりじょ)と号していた。

福岡商業学校卒業後、1939年阿川弘之島尾敏雄那珂太郎らと同人誌「こをろ」を創刊。1941年文化学院文学部に入学。句集『花火』(こをろ発行所)を自費出版1946年復員後、北川晃二と一緒に文芸誌「午前」の編集に携わり、同郷の檀一雄を頼って1949年上京。檀一雄との交流は長く、その後30年にわたり兄事した。1949年、第一創作集『サフォ追慕』にて第21回芥川賞候補となり、新進作家として注目された。1949年の創作集『二十歳の周囲』は、「こをろ」グループの青春を抒情的に描いている。

1992年、第2句集『雪女』(冥草舎)で藤村記念歴程賞を、翌年読売文学賞を受賞した。2010年、句集『月魄』で蛇笏賞を受賞。俳句としては艶冶(えんや)な作風である。連句もよく巻いた。

2012年6月5日、誤嚥性肺炎のため永眠[1]。92歳没。

著書

  • 『月見草』偕成社 1949
  • 『サフォ追慕』大日本雄弁会講談社 (新鋭文学選書) 1949
  • 『二十歳の周囲』全国書房 1949
  • 『天命』ユリイカ 1952
  • 織田信長 豪気奇才の英傑』偕成社(偉人物語文庫) 1953
  • 『内灘 その砂丘にえがく新しい歴史 私たちの報告 第1集』朝日書房 1953
  • 『悲しき野みち』偕成社 1954
  • 『嵐の中の一本の木』理論社 1954
  • 『フランクリン』講談社(世界伝記全集) 1955
  • 『赤い空』パトリア 1957
  • 『八幡太郎義家』講談社 (少年少女日本歴史小説全集) 1958
  • 『異物』パトリア (新鋭作家叢書)1958
  • 『ジェンナー』講談社(少年少女世界伝記全集 イギリス編)1961
  • 『虫の勇気 西域小説集』経済展望新社 1973
  • 『飛ぶ男』東京新聞出版局 1979.2
  • 『月と四十九ひきめのカエル』新学社 (少年少女こころの図書館) 1988
  • 『評伝 火宅の人 檀一雄沖積舎 1988
  • 『石川啄木 病と貧しさにたちむかい、文学一筋に生きた天才詩人』新学社(少年少女こころの伝記) 1991
  • 『源義経 源平の合戦をかなしく彩る若き戦の天才』新学社 (少年少女こころの伝記) 1991
  • 『花火 句集』沖積舎 1993.6
  • 『雪女 句集』沖積舎 1993.6
  • 『定本雪女 真鍋呉夫句集』邑書林 1998.7
  • 『夢みる力 わが詞華感愛抄』ふらんす堂文庫 1998.11
  • 『露のきらめき 昭和期の文人たち』 KSS出版 1998.11
  • 『眞鍋呉夫句集』宗左近編 芸林書房 2002.4 (芸林21世紀文庫)
  • 『月魄(つきしろ) 句集』邑書林 2009.1
  • 『天馬漂泊』幻戯書房 2012
  • 『真鍋呉夫 全句集』書肆子午線 2020.1

共編著

  • 『祖国の地図 ルポルタージュ』三一書房(三一新書) 1955
  • 『雲に鳥』真鍋立彦共著 大和美術印刷出版部 (日本きゃらばん文庫)1961
  • 『中国の群雄 三 覇権争奪』堀誠共著 講談社 1998、劉邦を担当

訳・解説

参考文献 

  • 多田茂治『戦中文学青春譜-「こをろ」の文学者たち』海鳥ブックス 2006.2
  • 坂口昌弘著『平成俳句の好敵手』文學の森
  • 『ふくおか風土記 文化-芸術編(改訂版)』

脚註

  1. ^ 訃報:真鍋呉夫さん92歳=俳人、作家 毎日新聞 2012年6月8日閲覧



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