映画『カサブランカ』
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「ドーリー・ウィルソン」の記事における「映画『カサブランカ』」の解説
この映画でドーリー・ウィルソンが演じたサム (Sam) は、ハンフリー・ボガートが演じる主人公のナイトクラブ経営者リック (Rick) に雇われている歌手兼ピアニストである。作中ではずっと、ハーマン・フップフェルド作の歌「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」が音楽的、感情的動機(モチーフ)といて繰り返し現れる。リックと、イングリッド・バーグマンが演じるヒロインであるイルザ (Ilsa) は、二人がかつてパリで恋愛関係であったことを踏まえて、この曲を「their song」(「彼らの歌=昔の私たちの歌」の意)と呼ぶ。『バラエティ』誌のアルジーン・ハーメッツ(英語版)は、この歌の効果はひとえにウィルソンのおかげだと指摘しており、また、『ハリウッド・リポーター』誌も、ウィルソンが「something joyous(何か楽しみなもの)」を醸し出していると述べている。「Play it again, Sam」(「あの曲をもう一度やって、サム」の意)というフレーズは、ウディ・アレンの映画のタイトルにもなっていることもあって(『ボギー!俺も男だ』の原題は Play It Again, Sam)、この映画に出てくる台詞であると広く信じられているが、実は作中では一度も使われていない。作中でウィルソンが演じるサムは、カフェの客たちのために、いくつか他の曲も披露しており、「もしあなただったら (It Had To Be You)」、「シャイン (Shine)」、「ノック・オン・ウッド (Knock On Wood)」、「アヴァロン (Avalon)」、「聞かせてよ愛の言葉を (Parlez-moi d'amour)」などが聞かれる。 ウィルソンは、歌手であり、ドラマーだったが、ピアニストではなかった。作中のサムのピアノ演奏は、エリオット・カーペンター (Elliot Carpenter) が弾いており、撮影の際にはウィルソンから見える位置でカーペンターが演奏し、ウィルソンは手の動きを真似て演技したという。カーペンターは、当時『カサブランカ』のセットにいた、ウィルソン以外では唯一の黒人であり、以降もふたりは友人であり続けた。『カサブランカ』のサム役の出演料は、7週間の拘束で週給 $350 であったとも、週給 $500 であったともいわれている。 後にウィルソンは、1949年の映画『暗黒への転落』でもピアニスト役を演じ、再びボガートと共演した。
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