日本最古級の工房跡出土
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 20:08 UTC 版)
「南草津プリムタウン」の記事における「日本最古級の工房跡出土」の解説
南草津プリムタウンを開発中に、日本最古級の鋳造施設(黒士遺跡)が確認された。鉄などの鋳造遺構としては国内最古級で、口径が1メートルを超す巨大な鍋釜などの製品作りを行っていた。周辺には同時代の製鉄遺構も点在している。遺跡一帯は早くから、製鉄から鋳造までを手掛ける鉄製品の一大生産拠点だったかもしれないと考えられている。黒土遺跡の周辺では、7世紀終わりから8世紀初めにかけて営まれた製鉄施設が確認されている。地金を加工して製品化する鍛冶場や梵鐘を鋳造した施設、燃料となる木炭を造る炭窯なども出土している。源内峠遺跡では、7世紀後半の製鉄炉4基を確認している。大量の鉄鉱石も見つかっていることから、大規模な操業だったことが明らかになっている。製鉄遺構からは、いずれも鉄鉱石を製錬していたとみられる。黒土、榊差、木瓜原、源内峠各遺跡は大津市から草津市にかけて延びる、なだらかな瀬田丘陵上にある。同丘陵や周辺では、ほかにも製鉄や製陶に関わる遺跡が点在し、7世紀後半から、平安時代にかけて、操業していたと考えられる。また、近江は古代から鉄鉱石の産地として知られており、こうした地域に鉄鉱石を産出する鉱山があったとみられる。
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