日本式および訓令式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 03:06 UTC 版)
訓令式ローマ字は1937年9月に第1次近衛内閣が発した昭和12年内閣訓令第3号において公的なローマ字法として定められた。「訓令式」の呼称はこれにちなむ。 1885年に田中館愛橘によって考案された日本式ローマ字に基礎としてそれに若干の改変を加えたローマ字表記法である。第5次吉田内閣による1954年の昭和29年内閣訓令第1号、昭和29年内閣告示第1号の第1表が示した訓令式を経て、現在も用いられている。日本国内の標準として公式に認められているローマ字表記法としては唯一のものである(ただし1954年以降は事実上、日本式および修正ヘボン式の使用も認めている)。 訓令式ローマ字はあくまで純粋に日本語をラテン文字で書き表わす場合に用いるつづり方として定められたものであり、その点で、英語の発音への類似を優先するヘボン式とは異なっている。英語圏では訓令式は「文部省式」(Monbushō system)という通称でも知られるほか、後述の「ISO 3602」という規格名で呼ばれることもある。 内閣告示第1号第2表でヘボン式(1 - 5行目)と狭義の日本式(6 - 9行目)も認めた が、それらは「国際的関係その他従来の慣例をにわかに改めがたい事情にある場合」に限られるとされる。狭義の日本式のうち、「ぢゃ dya、ぢゅ dyu、ぢょ dyo、くゎ kwa、ぐゎ gwa、を wo」が本表に記載されず第2表に記されている。これは昭和21年(1946年)の第11回国語審議会答申の「現代仮名遣い」に準拠したからである。 なお、第2表に従って修正ヘボン式および日本式でローマ字をつづる場合にも「そえがき」を適用する。そえがきには「はねる音『ン』はすべてnと書く」とあり、旧ヘボン式の撥ねる音を「m」と書く表記は規格外となる。
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