日本各地の類話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 20:23 UTC 版)
座敷童子に類するものに、遠州門谷村(現・愛知県新城市門谷)の「座敷坊主」、徳島の「アカシャグマ」がある。四国金毘羅宮の、奥の院周辺の家には、夜になると仏壇の中から「アカシャグマ」が出てきたという。アカシャグマとは、赤く染めたクマの毛のことで、これを被った小さな子供のようなものが、家の持ち主の老婆を毎晩くすぐったという。 山梨県の旧東八代郡には倉の中に「お倉坊主(おくらぼうず)」がいるといって、座敷童子の一種と考えられている 。 石川県の「マクラガエシ」は、ある家の座敷に寝ると、特に二本差しや髭を立て洋服を着て高慢な顔をしたものが泊まると隣室に引き出すという。 香川県大川郡白鳥町(現・東かがわ市)に伝わる座敷童子は童女姿で、髪の毛がショボショボに垂れていることから「オショボ」と呼ばれ、家の者には見えないとも、家の者のみに見えるともいう。 ほかにも、北海道で人家で寝ている者を襲うといわれる「アイヌカイセイ」、沖縄県で人家で寝ている者に悪戯を働く「アカガンター」といった妖怪を、座敷童子と同様のものとする解釈もある。 民俗学者・折口信夫はオクナイサマ、座敷坊主、アカシャグマ、沖縄のキジムナー、壱岐のガアタロなどの例を引いて、外の土地のある家のために働きに来る忠実な精霊がいて、いなくなると家が衰えると言う型の話と見た。そして座敷童子が庭に降りない点に注目し、かつての芸能が庭・座敷・舞台とに分けられていたことと関連づけて考えている。
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