日本への謝罪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 15:29 UTC 版)
「ポール・クルーグマン」の記事における「日本への謝罪」の解説
デフレ不況に対する日本政府や日本銀行の対応の遅さを繰り返し批判してきたが、2007年以降の金融危機には、かつて自分の主張を受け入れなかった日本の政策当局と同じことしか出来ないアメリカ当局を目の当たりにして「同じような状況に直面し我々も同じことをしている、日本人に謝らなければならない」と自虐的に嘆いてみせた。クルーグマンは「アメリカも日本以上にひどい対応をしている。アメリカは財政を緊縮させ、不適切な金融政策をとってきた」「歴代の日銀総裁にもおわびしなければならない。しかし、決して彼らが正しかったからではない。間違いだった。『正しい政策判断をすることがいかに難しいか、今なら理解できる』という意味で、おわびしたい」と述べている。 2014年10月31日、クルーグマンはニューヨーク・タイムズに「日本への謝罪」と題するコラムを寄稿し、欧米の政策に関して「2008年以降は、日本がかすむほどの失敗だった。我々は、日本に謝らなければならない」と述べた。クルーグマンは、日本の「失われた20年」は、「反面教師として、先進国経済が進むべきではない道を示してきた」と述べ、自身の批判そのものは間違ってはいなかったが、認識が甘かったとしている。クルーグマンは「欧米のことを棚上げして、日本を批判したことに対する謝罪である。欧米が日本の失策から学ばずに、日本よりひどい失策をしたことに対する反省と皮肉である」と述べている。クルーグマンは、欧米が日本の教訓を生かせなかった理由について「我々の社会に巣食う根深い格差のためだ」と述べている。
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