日本の随筆
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日本における随筆の起源は10世紀末に清少納言によって書かれた『枕草子』であるとされる。枕草子における日常的風景に対する鋭い観察眼は「をかし」という言葉で象徴される。その後も、鴨長明『方丈記』や吉田兼好(兼好法師)『徒然草』などの随筆作品が登場した。 江戸時代に入ると、文学的随筆だけでなく、考証や見聞録といった随筆が生まれた。近世の随筆について、中村幸彦は『四庫全書』「雑家類」に基づき、学問を随筆風に述べる「雑考」(佐藤一斎『言志四録』など)、思想的随筆を指す「雑説」(室鳩巣『駿台雑話』など)、研究的考証的随筆を指す「雑品」(伴信友といった国学者の考証など)、先人の書物や見聞を集めた「雑纂」、諸書を集めた「雑編」(松浦静山『甲子夜話』など)の5項目の分類を提示した。この時代の代表的な随筆として、『玉勝間』(本居宣長)、『花月双紙』(松平定信)、『折たく柴の記』(新井白石)、『塩尻』(天野信景)などがある。
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