日本の陸上の活断層の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 17:13 UTC 版)
日本の陸上の活断層には以下のような特徴がある。 一定の時間をおいて繰り返して活動する 活断層は普段は断層面が固着しているため動かないが、断層面を挟む両側の岩盤には常に大きな力(ひずみ)がかかっており、このひずみが限界に来た時に岩盤が破壊され、断層に沿って両側が互いに反対方向にずれ動く。この動きで地震が発生し、ひずみは解消される。その後、活断層は長く動きを止め、次にひずみの限界が来るまで動かない。 いつも同じ向きにずれる 活断層にかかる力のもとはプレート運動で、その運動の向きや速さは長期的には変化しないため、活断層にかかる力も長期的には変わらない。このため、活断層の活動は基本的には同じ動きが繰り返される。活断層周辺の地形は、このように繰り返された動きの累積により形成されたもので、地形を見ることで活断層の動きの特徴を把握することができる。 ずれの速さは断層ごとに大きく異なる 活断層が1回動いて生じるずれが数mであっても、それが繰り返されると、ずれの量は累積して次第に増加する。この増加していく速さ(平均変位速度)は断層ごとに大きな差がある。「平均変位速度」は、長期的に見た場合の活断層の平均的なずれ量を速度で示したもので、通常は1000年あたりのずれの量で表す。これによりその活断層の活動度が分かる。 活動間隔は極めて長い 日本における陸上の活断層は大地震発生間隔は数百年から数万年と非常に長いのが特徴である。一方、海溝型地震の発生間隔はこれよりずっと短く、例えば南海トラフを震源とする地震の発生間隔は100-200年程度で、歴史時代に巨大地震(南海トラフ巨大地震)を何回も発生させている。 長い断層ほど大地震を起こす 断層の長さが長いものほど、大きな地震を起こす可能性がある。これまでの日本の内陸直下地震の例では、M7級の地震では長さ20km程度、M8級の地震では長さ80km程度の範囲にわたって地表のずれ(地表地震断層)が現れている例がある。
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